こんにちは、映画好きのみなさん!
今日は、静かでやさしい余韻を残す映画を紹介します。
その名も 『旅と日々』 です。
日常のすき間にある“旅”の時間。
そこに流れる人の思いや風景を丁寧に描いた作品です。
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あらすじ
脚本家の李(シム・ウンギョン)は、創作の壁にぶつかっていました。
思い切って旅に出た彼女は、夏の海辺で「夏男」や「渚」と出会います。
何気ない会話と静かな時間が、李の心を少しずつ動かしていきます。
季節が冬へと変わる頃、李は雪深い山の中の宿にたどり着きます。
宿の主・べん造(堤真一)は、ぶっきらぼうながらも不思議な温かさを持つ人物。
二人が雪原で過ごす時間は、やがて李の内面を静かに照らしていきます。
夏と冬、そして人と人。旅の中で見つける「生きることの静かな輝き」を描いた物語です。
キャスト
| 役名 | 俳優名 |
|---|---|
| 李(イ) | シム・ウンギョン |
| べん造 | 堤真一 |
| 渚 | 河合優実 |
| 夏男 | 髙田万作 |
| その他 | 佐野史郎、斉藤陽一郎、足立智充 ほか |
スタッフ情報
- 監督・脚本:三宅唱
- 原作:つげ義春「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」
- 音楽:Hi’Spec
- 配給・宣伝:ビターズ・エンド
- 上映時間:89分
- レイティング:G(一般)
音楽情報
音楽を手がけたのは Hi’Spec。
静けさの中に温かみを感じさせる旋律が印象的です。
風景や登場人物の心情をそっと包み込むような音づかいが魅力です。
原作情報
原作は、漫画家・つげ義春の短編「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」。
原作が持つ“孤独と詩情”を、三宅監督が現代の風景の中で再構築しました。
静かな旅の描写に、つげ作品特有の余白の美しさが息づいています。
見どころ
『旅と日々』の魅力は、静けさの中に流れる深い情感です。
派手な展開はありませんが、一瞬一瞬に心を揺さぶる力があります。
特に李とべん造のやりとりは、言葉よりも空気で語るような繊細さ。
キャスト陣の自然体の演技、そして三宅唱監督の静謐な映像が融合し、
まるで詩のような時間が流れます。
本作は第78回ロカルノ国際映画祭で最高賞「金豹賞」とヤング審査員賞をW受賞。
18年ぶりに日本映画が世界から評価された、まさに記念碑的な一本です。
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まとめ
『旅と日々』は、派手さはなくとも心に深く残る作品です。
旅先の何気ない瞬間にある人のぬくもり、風景の静けさ。
そのどれもが美しく、観る人それぞれの“日々”に寄り添ってくれます。
映画館でゆっくりと味わいたい一作です。
出典


