JR九州新幹線や豪華寝台列車「ななつ星in九州」の車両デザインで知られる工業デザイナー、水戸岡鋭治(みとおか・えいじ)さん(71)が内外装を手がけた観光バスが、運行を始めた。
内装にバスではタブーとされる木材をふんだんに使用し、まるで“走る茶室”だ。
豪華な車両を見てきた。
■赤銅の色のボディー
このバスは、旅行会社クラブツーリズム(東京都新宿区)が企画するツアーで走る「クラブツーリズム フアースト」。
製造費は1億円超と推定される。
東京都内のホテルで開かれたお披露目会に出席した水戸岡さんは、“ロイヤルレッド”と呼ぶ洗練された赤銅色の外観を前に、「懐かしくて心と身体が心地よく感動できる旅ができる、モダンであるよりクラシックなデザインのバスを目指して設計した」と解説した。
水戸岡さんデザインによるJR九州の「つばめ」や「ソニック」は、鉄道で唯一の国際デザインコンペ「ブルネル賞」を受賞するなど、世界でも認められている。
水戸岡さんによれば、平成25年秋にデビューした「ななつ星in九州」を手がけたことが、今回のバスデザインに生かされた。
「ななつ星を作り、旅の形が少し見えてきた。
デザインは欧州が最高と刷り込まれている人たちに、日本を再認識してもらおうと、旅する人が見聞したぜいたくさ、豪華さを車内に再現した」
■格天井
九州新幹線「つばめ」の洗面室には、カーテン代わりに殺菌・消臭効果のあるい草でできた縄のれんをつるした。
7両編成で14部屋しかない「ななつ星in九州」では、広々とした空間に和を基調とした家具を配置し、優雅さを演出した。
しかし、列車とは異なり、バス車内はどうしても圧迫を感じる。
そこで、本来なら頭上にある棚を排除し、代わりにイスの背面に本革の荷物入れを設けた。
また、「おそらくバスに導入されるのは、世界で初めて」(水戸岡さん)という格天井(ごうてんじょう)は、社寺や高級な書院造りに用いられる方式で木を格子に組んで張った。
宮大工が作り、万が一の火災でも火が広がらないよう、特殊な処理が施された。
窓には木材のすだれ風カーテン、床面にはウォルナットが敷かれ音が響かないよう裏面にはゴムが張られる細やかさだ。
「わが家の書斎のような、ティールームのような、茶室のような空間を意識してデザインしました」と水戸岡さんは胸を張る。
■茶菓子
高級感あふれる車内だが、「ななつ星in九州」のように歩き回ることはできない。
道路交通法により、運行中は座っていないといけないからだ。
「ずっと座っているのは、体によくないんですよ。
立つための理由…といったらあれだけど、化粧室はウオシュレット付きにしたし、コーヒーやお茶が飲めるバーカウンターも設けた」
と水戸岡さんは利用者ファーストの視点でデザインしていった。
茶菓子も用意されるという。
■1億円超
クラブツーリズムは、平成19年から高級貸し切りバスを導入しているが、同社の小山佳延社長は「バスに乗ること自体が目的となる世界で1台のこだわりのバスを目指した」とその意図を明かす。
手頃な料金で楽しめる日帰り観光&グルメツアーには多くの旅行・バス会社が参戦し、客の争奪戦になっている。
そんななか、超高級路線で差別化を図ろうとするものだ。
通常、44~49席の観光バスの製造費は1台約3千万円という。
クラブツーリズム フアーストは「金額は非公開だが、これまでで一番の製造費がかかっている」(クラブツーリズム執行役員の村上さちえバス旅行部長)という。
関係者によると1億数千万円に達したもようだ。
公共バスのデザインを手がけたことがある水戸岡さんは
「予算が限られると、似たりよったりのデザインになってしまう。
今回は職人さんにも、無理をお願いすることができた」
と明かす。
■1泊2日11万円
コストは、利用者にはねかえる。
「非日常の時間in伊豆」と銘打たれた1泊2日のツアーは東京の新宿か横浜をクラブツーリズム フアーストで出発し、箱根の旧御用邸「菊華荘」で昼食、伊豆の今井浜温泉で宿泊し翌日、これも水戸岡さんデザインの観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」のゴールドクラス車で戻ってくるもので、旅行代金は1人11万円。
「1~2月出発の3回分は、50代以上の方でほぼ満席。
3月以降の出発も引き続き企画したい」(村上部長)と人気のよう。
当面は首都圏発着に限られるが、京都や大阪発着で訪日客も取り込みたい意向だ。
「どこにもないデザイン…というより、少し変えたら最高になる“リデザイン”が私の考え。
最高のバスのあるべき姿を求め完成したのがこのバス。
感動体験に出会ってください」と水戸岡さん。
快適走行となるか。
(文化部 伊藤洋一)
◆水戸岡鋭治(みとおか・えいじ) 昭和22年、岡山県出身。
岡山電気軌道「MOMO」、富士急行「富士登山電車」のほか建築、グラフィックなどさまざまなジャンルのデザインを手がける。
JR九州の列車、駅舎デザインでブルネル賞、国内のブルーリボン賞など受賞多数。
引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190115-00000500-san-bus_all
走る茶室 豪華“億バス”発車オーライ!https://t.co/CfhiYvqwep
→水戸岡さんによれば、平成25年秋にデビューした「ななつ星in九州」を手がけたことが、今回のバスデザインに生かされた pic.twitter.com/0DXjUCN0Az
— 産経ニュース (@Sankei_news) 2019年1月14日
『走る茶室 豪華“億バス”発車オーライ!』のニュースに世間の声は
“木材を使って温もりを出しました”系の席は、ひじ掛けも座面もカチカチで、硬いベニヤ板に腰かけてるみたいだし。
“本革で高級感を出しました”系の席はヌルヌル滑って腰が落ち着かない。
あの人のデザインは独りよがりで利用者目線の物じゃない。
正直、使いづらい
深緑などの椅子の方が良かったようにも思います。
あと、これは余談にすぎませんが、記事を書いた人は茶室は室内の空間と外の景色が合わさった幽玄を味わい楽しむ事を知らないのでしょうね。
このバスは茶室ではなく、和室ですよ。
これは。。
違う気がする。
でも素晴らしい。
写真よりきっと実物はもう少し抑えられた良さを感じることができそう。
写真はなんかキツイ。
軌道に乗っても、安易に真似はしない方がいいと思いますよ。
狭さや閉鎖性=茶室という結び付け方なんだろうけど、
どっちかというと極限まで削ぎ落した美をデザインする千利休よりも
仲悪かった太閤さんって感じのゴテゴテですね。
でも、乗ること自体が目的になるバスを作りたいという動機、気概はとても良いと思います。
和をテーストとするのなら、畳を連想するような
落ち着いたデザインにはならなかったのだろうか。
それと、ベースのバスのデザインは全く高級感ないね。
妙に丸っこくて。。
別のバスをベースにしたほうがよかったんじゃないの?
無意味なお金のかけ方には疑問を感じる。
いっそそのバスに億の宝石でも埋め込めばいいのでは。
柔らかいとお客が乗り心地が良いと喜ぶので運転手もⅯ社を褒める。
でもコーナーのロールが大きくなる。
軽井沢の事故もⅯ社。
購入時は特性を考慮しないと
一億円かけても、この程度までなんだね・・・・・
豪華って値段をいくらかけても限界コンテンツなのかも
普通に金かけなくても席と席の間を今の倍にするとかで良さげ
長距離バスは電気を消さずに雀卓を設置して麻雀しながら
移動出来れば時間もあっと言う間だし
豪華は意味が無い・・・ゲロを吐く人を乗せない方が重要
それならある意味リムジン→本物のゆったりした茶室の場所の方が遥かにいい様な気がするがね それか全席スーパーシートみたいな6人くらい用でテーブルで飲食できる貸切バスの方がまーだ理解あると思うがね
流石近ツーから独立した行動力だけはある。
でもそれだと乗っていて疲れてしまうか。
二畳台目でなかろうと、近代アーティストが造ろうと、清貧でなかろうと、そこで寛げれば立派な茶室だ。
だが、これはその要素が抜け落ちてる。
その上、コストが利用者に跳ね返って11万。
水戸岡氏老いたり。
昔は斬新だったのかもしれないが最近は水戸岡だからなんだって感じ。
若手の良いデザイナーを新たに探してほしい。
良い記念になりました。
案外批判的な意見が多くて驚きました。
茶室というより、秀吉イメージなのかしら?奇抜なデザインも嫌いではないです。
最低速度を守って大人しく走行車線を走っていく方が良いですね。
一般道でのんびりと思ったけど、都心や繁華街では返って、
運転に気を使って大変そうに思いました。
畳ですらないから、表現に違和感を覚えます。
このバスで集客して修理等で乗れなければ返金等の対応が必要になりそうで、担当者は気をつかいそうですね。
完全土禁の畳敷きにしてもよかったかな。
難燃素材の畳とか今の技術ならいくらでも作れるだろうし。
畳の緑も、障子の白もない、木材一色って逆に温かみが無い。